料理長インタビュー 北京なだ萬

からさわ ひろあき

唐澤 宏明

日本料理一筋31年。1999年11月なだ萬入社以來、東京の帝國ホテル店、広州店、クアラルンプール店などを経て、17年8月に北京店料理長に就任。お客様、食材、スタッフへの感謝を忘れず、日々廚房に立っている。

料理のできる裏の物語を想像してほしい

Q.和食の道に進んだ理由は?

A. もともと、フランス料理を志望しており、その足がかりとしてアステルダムで働き始めました。渡航後はフランス料理の勉強に沒頭しました。ある日、アステルダムのチャイニーズストリートに唯一ある和食店に行ったのです。30年前の海外で和食というと、ラーメン、壽司、てんぷら、唐揚げ、すき焼きのイメージで本物とかけ離れていました。愕然とした私は「本物の和食を海外に知ってもらい、世界的にフランス料理と同等もしくは、それ以上の地位にしたい」と思ったのがきっかけです。

Q.中國の方は味覚が異なると思いますが、工夫していることは?

A. 2010年頃にも北京店で働いていましたが、當時はインパクトのある盛り付けや、はっきりした味付けを好まれていたので、敢えて派手目に料理を作っていました。日本の味付けより濃淡をはっきりさせていましたね。

最近は中國の方も日本に行って、日本料理を食べる方も多く、本物志向の方々が増えています。ですので、日本と同じように作っています。日本國內と海外とで意識していません。

Q.料理を通して伝えたい事は?

A. 人に限らず生き物は生きるために殺して自分の生活を繋げています。人間も、動物も、植物も命の重さは変わりません。それでも、食べなければ生きていけません。だから、少しでも、おいしく、きれいに、喜んでもらえる料理を作らないと食材に対して申し訳立たないし成仏してもらえません。そして料理人は食材を通して命を削る思いで毎日真剣に料理を創り出しています。時々でかまいません。料理のできる裏の物語を想像してお食事されたら、一味違う深い味わいを感じるかもしれません。決して見えるものではありませんが、そんなことを少しでも想っていただければ、料理人冥利に盡き、大変有難いことです。

なだ萬北京店

Add. 朝陽區建國門外1號北京國貿大酒店4階

Tel. 8571-6459(日本語可)

Time. 11:30~LO 14:0017:30~LO 22:00

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